一、巡りあひて 見しや夫(それ)とも わかぬまに 雲がくれにし 夜半(よは)の月かな 執筆者:青 二、逢ふことの 絶えてしなくば なかなかに 人をも身をも 恨みざらまし 執筆者:柊沢 歌穂 三、足曳(あしびき)の 山鳥の尾の しだり尾の 長々し夜を 獨(ひと)りかもねむ 執筆者:南ワコ 四、是れやこの 行くもかへるも別れては 知るもしらぬも 逢坂(あふさか)の關(せき) 執筆者:萃 五、君がため はるの野に出でて 若菜つむ わが衣手(ころもで)に 雪はふりつつ 執筆者:水神 玲衣 六、天津風(あまつかぜ) 雲の通路(かよひぢ) ふきとじよ をとめの姿 しばしとどめむ 執筆者:麻喜 東胡 七、住の江の 岸による波 よるさへや 夢の通ひ路 人めよくらむ 執筆者:みつき 八、侘(わび)ぬれば 今はた同じ なにはなる みをつくしても あはむとぞ思ふ 執筆者:宮間 文 九、筑波嶺(つくばね)の みねより落つる みなの川 戀(こひ)ぞつもりて 淵(ふち)となりぬる 執筆者:金魚 十、和田(わた)のはら 八十島(やそしま)かけて こぎ出でぬと 人にはつげよ あまの釣舟(つりぶね) 執筆者:更夜 十一、浅ぢふの をのの篠原(しのはら) しのぶれど あまりてなどか 人の戀(こひ)しき 執筆者:箭内 玲奈 十二、忍ぶれど 色に出(い)でにけり わが戀(こひ)は 物や思ふと 人の問ふまで 執筆者:Nene 十三、戀(こひ)すてふ わが名はまだき たちにけり 人知れずこそ 思ひそめしか 執筆者:雅弥 優 十四、御垣守(みかきもり) 衛士(ゑじ)のたく火の 夜はもえ 晝(ひる)は消えつつ 物をこそ思へ 執筆者:ちまこ 十五、かくとだに えやはいぶきの さしも草 さしも知らじな もゆるおもひを 執筆者:蒼井 奏歌